火災保険を使って外壁塗装リフォームはできる…?
- 目次
1.
火災保険の種類
1-1 火災、落雷、破裂・爆発、風災が原因の外壁劣化で適用される「住宅火災保険」
1-2 住宅火災保険の補償内容に加えてあらゆるリスクを総合的に補償してくれる「住宅総合保険」
1-3 住宅火災保険や住宅総合保険より多様なリスクに対応できる「オールリスクタイプの保険」
・ここに注意!経年や老化での劣化は、どんな保険でも適用されない
2.
様々な被災の種類
2-1 台風、竜巻
2-2 雪、雹
2-3 雨、洪水、土砂崩れ
2-4 落雷
2-5 人為的な理由による破損
2-6 「地震」は火災保険だけでなく「地震保険」の加入も必要
3.
火災保険で外壁や屋根の補修費用を補償してもらうために確認すること
3-1 被災した災害に対する補償がある保険に加入していること
3-2 リフォームの工事費用が免責金額を下回っていないこと
3-3 一般的な自然現象ではなく「災害」によって被害を受けていること
3-4 被害発生から3年以内に申請すること
4.
火災保険が適用されるまでの流れ
4-1 被害が発生したことを報告
4-2 外壁塗装業者による現場調査
4-3 火災保険の申請書作成
4-4 火災保険の保険会社による破損箇所の調査
4-5 火災保険の適用対象か審査
4-6 火災保険の保険金支払い
・悪徳業者による火災保険を使った手口に注意
5.
まとめ
自然災害大国と呼ばれる日本・・・。
近年は異常気象による災害の増加が目立っています。
地震や豪雨など甚大な被害をもたらしています。
このような思わぬ自然災害で建物の外壁、屋根また屋外設備が壊れてしまった・・・という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
自然災害で外壁や屋根が破損した場合、火災保険に加入していると補修にかかる工事費用が補償されることがあることをご存知ですか?
もしもそのような事態に陥ったとき、加入している保険金で修繕費を賄うことが出来たら助かりますよね!火災保険はその名の通り、「火事の場合に保険がおりますよ」という保険です。しかし、本来火災保険とは火災だけではなく自然災害全般にも適応されるという事をご存知ない方が多くいらっしゃいます。
一般的に住宅を購入する際、「住宅火災保険」か「住宅総合保険」に加入されます。条件によっては外壁補修も火災保険の対象になる場合があります。
補償の対象といっても「火災保険で無外壁塗装費用が無料」というのは厳密には間違いです。ですから「火災保険で外壁塗装工事費用を無料にします」と火災保険を使って外壁塗装工事をすすめてくる悪徳業者には要注意です。そもそも火災保険は事故や災害による被害を補償するための保険であって、「災害ではなく、建物の価値を高めるためのリフォーム」を目的とした外壁塗装に関しては補償対象ではありません。
今回は、火災保険を使って外壁塗装を行うための条件や注意点をお伝えしていきます。
1. 火災保険の種類
火災保険はお住まいごとにそれぞれ違います。
ご自宅にかけている火災保険の「保険証券」もしくは加入先の保険会社へ問い合わせをするなどして、保険の種類と内容を確認しましょう。
戸建住宅向けの火災保険は、大きく3つに分けられます。
1.「住宅火災保険」
2.「住宅総合保険」
3.「新タイプの保険」
※従来の住宅総合保険より補償の範囲を拡大や実際の損害額が補償される保険
被災の種類 | 住宅総合保険 | 住宅火災保険 |
火災 | 〇 | 〇 |
落雷 | 〇 | 〇 |
ガス爆発などの 破裂・爆発 | 〇 | 〇 |
風災 | 〇※一部自己負担額がある場合もあり | 〇※一部自己負担額がある場合もあり |
水災 | 〇※一部自己負担額がある場合もあり | × |
自動車の飛び込み等による 飛来落下・衝突 | 〇 | × |
給排水設備の事故等による水漏れ | 〇 | × |
騒じょう等による暴行・破壊 | 〇 | × |
盗難(家財補償を付けた場合) | 〇 | × |
1-1 火災、落雷、破裂・爆発、風災が原因の外壁劣化で適用される「住宅火災保険」
「住宅火災保険」とは、住宅物件の火災保険として基本的なタイプです。
一般的に火災のほか台風や大雪などの自然災害にも対応しています。また、外壁以外に屋根の雨漏りも適用範囲である場合もあります。
注意していただきたいのが、水害はこの保険が適用されないということです。洪水や集中豪雨などによる土砂崩れなどの自然災害がこれにあたります。
こちらの保険に地震保険を付帯することもできます。
1-2 住宅火災保険の補償内容に加えてあらゆるリスクを総合的に補償してくれる「住宅総合保険」
住宅火災保険に加えて、自然災害以外の災害も補償対象になっている保険で住宅に関する総合的な補償を受けられるのが住宅総合保険です。
車両の飛び込みや水漏れ、盗難による破損なども適用になります。自宅にかけている保険の種類と内容をしっかり確認しましょう。
こちらの保険に地震保険を付帯することもできます。
1-3 住宅火災保険や住宅総合保険より多様なリスクに対応できる「オールリスクタイプの保険」
住宅火災保険や住宅総合保険に加えて、工事規模の大小に関わらず保険金が支払われたり、家のタイプ生活スタイルごとに細かく補償範囲を設定し、必要な補償を選択することも可能です。さらに付帯サービスとして、カギの紛失や水回りのトラブルへの対応、緊急時の医療相談、などが付いている商品もあります。他に宿泊費用、取り壊し費用など細かいニーズに対応する特約もあります。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
窓まわり(サッシ)のコーキング打替え、増し打ちどっちがいい?
窓まわり(サッシ)の周囲にもコーキングが施されていますが、構造上の問題でコーキングをすべて除去することが難しい場合があります。その場合は、劣化している分だけを…
外壁塗装や塗り替えのサインは?
そもそも、どうして定期的に塗替える必要があるのでしょうか?外壁を塗替えなければならない理由は2つあります。 一つ目は「見た目」です。 車も長い間洗わずにいると…
外壁に防水は必要?外壁防水の必要性を徹底解析!!
塗装された外壁や屋根は年月とともに少しずつ劣化し、防水機能が低下していきます。そのため、定期的な塗り替えや補修を行ない、防水機能を維持することが重要です。 …
リフォームの時の付帯部の塗装はしないでも大丈夫?
付帯部は必ずしも「すぐに塗装しなければ家がダメになる」ということはありません。しかし塗装することで家の寿命を延ばすことにつながります。付帯部も外壁や屋根と同じ…
外壁と屋根の塗装リフォームは同時にした方がいいのか?
毎日浴びる紫外線、雨風、強風などを一番に受けている外壁や屋根。これらに加えて経年劣化もあり、快適な暮らしのため家は定期的なメンテナンスが必要となります。…
外壁リフォーム!塗り替え、張り替え、カバー工法、どれがいい!?
外壁のリフォームには、「塗り替え」、「張り替え」、「重ね張り(カバー工法)」の三種類の手法があります。既存の外壁材の上から塗料を塗るいわゆる「塗り替え」は一般的な…
外壁塗装や屋根塗装をやり直してもらう条件とは!?
「こんなところに塗り残しが・・・!」、「塗料が飛び散っている」など、塗装工事が完了してしまってから気づく問題点ってありますよね。「もう一度手直ししてもらいたい!…
外壁のコーキング!気になる費用相場と注意するポイント
住宅の外壁に使用されるサイディングパネルやALC板のつなぎ目に使用される「コーキング(シーリング)」。コーキングとは、建物の外壁にできた隙間やつなぎ目を目地材…
助成金(補助金)でお得に外壁塗装ができる!?
外壁塗装で助成金(補助金)が受けられるのをご存知でしょうか?
実はお住まいの地域の自治体で外壁塗装などの住宅リフォームをする際に使える助成金…外壁塗装でアパートの入居率アップする方法
「家賃」「広さ・間取り」「立地」「外観」・・・。こちらはアパートを検討する際、入居希望者の条件として多い項目です。やはり家賃や間取りはアパート探しの基準ですね。…
アパート・ビルの外壁塗装は経費になる!?
アパートなどの建物を不動産として所有していると、建物自体に発生するさまざまな劣化に対して修理やメンテナンスを行っていく必要があります。メンテナンスの種類は目的に…
シーリングの先打ち後打ちはどちらがいい?
「目地の割れが気になりだした」「目地がやせてきた」など外壁で一番早く劣化してくるのがシーリングです。外壁のシーリングには、補修の際「シーリング材の上に塗装する…
~失敗談から学ぶ~ 外壁塗装工事の失敗しない業者選びとは?
私たちが一番長く過ごす場所_わが家。 そのお住まいにおいて「住み心地~快適な暮らし~」 は毎日の暮らしに大きく関わってきます。 快適なお住まいを永く持続させてい…
屋根・外壁塗装で見えない下地処理が1番大事!?
家の塗り替えを考えたとき、工事金額や仕上がり具合、業者・・・など色々気になりますよね。やはり一番は高額な費用がかかる工事なので『良い工事になるだろうか』というと…
家の基礎に塗装は必要か?基礎塗装の正しいメンテナンス方法
自宅の基礎にひびが…!このひび割れは放っておいていいの?基礎は家を支える部分ですのでひびが入っていたら不安になりますよね。「基礎って、そもそも塗装した方がいいの?…
タスペーサーの必要性
外壁塗装の見積書に”タスペーサー”という項目が・・・。「タスペーサーって??」普段聞きなれない言葉ですよね。タスペーサーは*スレート屋根を塗り替える際に使用される…
モルタル下地の塗装と塗料を徹底解説!
モルタルは、1990年よりも前に建てられた家の外壁としてよく使われた外壁材です。
築30年程経過しているお住まいでみると圧倒的にモルタル外壁のお住まいが多いのでは…雨樋の役割と塗装のメンテナンス方法
雨樋とは雨水を集めて排水させる筒状の建材のことです。一般住宅ではプラスチック製品をつかうことが多いです。雨樋は軒先や建物のはじっこに取り付けられておりあまり目立た…
ガルバリウム鋼板 メリット・デメリットを大公開!
外壁材に使用される鋼板で、金属系サイディングという種類に属します。アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%からなる「アルミ亜鉛合金メッキ鋼板」です…
雨の日の外壁塗装や屋根塗装工事はできる?
雨の日に外壁塗装や屋根塗装はできる?雨の翌日の塗装など、雨が与える5つの影響を詳しく解説します。なぜ雨が降ったら外壁塗装ができないのでしょう?日本には四季があり…
シャッターボックスの塗装
見積書の中にシャッターボックス塗装という記載が…そもそもシャッターボックスって何だろう?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。シャッターボックスとはシャッター…
タイル外壁塗装・メンテナンスは必要!?
「タイルの外壁はメンテナンスフリー」ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「タイルは劣化しないって聞いたけど…」「でも本当に何にもメンテナンス
サイディング補修 ひび・剝がれ・目地劣化
サイディングボードとは、家の外壁を形成するボード型の外壁材です。工場で大量に作られたボードを外壁に貼り合わせていくことで、住宅の外壁になります。従来の住宅はモルタ…
ALC外壁材はデメリットが多い!?メンテナンス方法は!?
ALCは珪石、セメント、生石灰を主原料としています。「高温高圧蒸気養生」という独自の製法による軽量気泡コンクリート外壁材でコンクリートの一種です。コンクリート!と…