外壁塗装や塗り替えのサインは?
「今すぐ塗替えないと大変なことになりますよ!」これは悪徳業者のセールストークです。 実際に今すぐに塗替えないと大変なことになる家はそんなにありません。 ただ外壁を定期的に塗替える必要はあります。最近は塗料の性能も良くなって大体10年から13年くらいが塗替えの時期の目安となります。
1. 外壁塗装や塗り替えは、なぜ必要なのか?
そもそも、どうして定期的に塗替える必要があるのでしょうか?
外壁を塗替えなければならない理由は2つあります。
一つ目は「見た目」です。
車も長い間洗わずにいると泥だらけになってしまいますが、家も新築して5年も経てばずいぶん汚れてきます。
汚れている車や住まいは決して気持ちのいいものではありません。
特に日本人はキレイ好きです。家や車が汚れ放題だと「みっともない」という感覚があります。
中には家の汚れが気にならないから全く塗替えをしない人もいます。
しかし大切なことを見落としています。
外壁を塗替えなければならない理由は見た目だけではありません。
本当に大事な理由は建物を「保護」することです。
外壁を塗替えなければ家の寿命は短くなってしまいます。これが2つ目の理由です。
外壁塗装をしなかったらどうなる?
家の手入れをしなかったら確実に痛んでいきます。
特に屋根と外壁は強い日差しや雨水、台風や雪といった環境にさらされています。
その過酷な環境から家を守るのが塗装なのです。塗装は家全体を守ります。
ほとんどの家の外壁はモルタルかサイディング材です。
これらは塗装が施されているから水に強くて頑丈なのです。
もし塗装されていなければ雨水に触れているうちにすぐに弱って破損が生じます。
それらを防ぐのが塗装です。
塗装の膜が家を守っているのです。
塗膜が永遠に劣化しないのであれば塗替えも必要ないのですが、
時間とともに少しずつ劣化していきます。
放っておくと塗膜が劣化し、破れや剥れとなってしまします。
塗膜が破れて防水効果がなくなってしまうと、壁のモルタルや外装材に水が触れ、破損の原因となります。
クラック(ヒビ割れ)を補修しないとどうなる?
また、外壁には「クラック」といわれるヒビが入っている事があります。
悪徳業者は外壁にクラックを見つけると、 「雨水がこのヒビから侵入しています。内部の柱が腐れる寸前です。 今すぐ塗替えをしないと大変事になりますよ!」 と脅すことがあります。
しかしこれはちょっと大げさ過ぎるセールストークです。
髪の毛くらいのひび割れなら雨水が構造体を腐らせることはまずありません。
なぜならモルタル壁や外装材、屋根材の裏側には防水シートが敷き詰められているからです。
その下に柱や下地の木材があるのです。
一番上の塗膜が破れて外装材やモルタルが破損し、さらに防止シートも破れて初めて下地の木材に水が浸透します。
ですからヘアクラック程度であれば防水シートが水の侵入を防いでくれます。
ただ、防水シートも完ぺきではありません。
家を建てるときに釘を使って張るので釘穴が出来てしまします。
さらにその上から針金製の網を被せますがこの網も釘で固定します。
ですから防水シートは釘穴が多いです。 新築時でも完ぺきではなく、ヘアクラックを「こんな小さいヒビなんて」と甘く見てはいけません。
ヘアクラックとはいえモルタルが破損している状態には変わりありません。
放っておくとクラックは確実に大きくなっていき、破損部が拡大していくのです。
そうなると頼りにしてた防水シートもやがて湿気でやられてしまい破れてしまいます。
防水シートが破れてしまうと、いよいよ雨水がじわじわと家の内部に侵入し始め、雨漏りの原因となります。
雨水が2階の外壁のヒビから入り込んで壁の内側をつたって1階の天井から雨漏りしたりもします。
早い段階での雨漏りは気付けるだけ良いのですが、最悪なのは室内に漏れずに壁の内部の「見えない部分」に雨漏りするケースです。
見えない部分とは家を支えている柱や断熱材で、個の雨漏りを長年放置していると柱などの骨組みの腐食が進んでしまいます。
家全体に微妙な歪みが生じて窓やドアの開け閉めがスムーズにいかなくなるくらいまでならいいのですが、湿気を好むシロアリによって柱を食い荒らされたりしたら大変です。
この「見えない雨漏り」が始まって、室内に漏れ出すまでの期間は「潜伏期間」のようなもので、潜伏期間が長ければ長いほど事態は悪化していきます。
室内に雨漏りして異常に気付いた時には、壁内そのものがボロボロになって資産価値が無くなっている時もあります。
ですから室内の壁に原因不明のカビが生えた時や、梅雨時期でもないのに「家の中がジメジメしているな」と感じた時は要注意です。
2. まとめ
外壁等の防水効果がない状態やクラック(ヒビ割れ)は塗替えを示すひとつの症状と考えるべきです。
外壁がクラックだらけでも補修や塗替えをしない人もいますが、塗替え時期が遅くなればなるほど建物の見えない個所までが劣化し、補修が大掛かりになって費用が余計に掛かってしまします。
なるべく早期発見・早期対策が大切になってきます。一度、壁の防水効果やクラック(ヒビ割れ)がないか調べて、どちらかが該当するようでしたら業者さんに見てもらうようにしましょう。