4. このような方に艶消し塗料はおすすめ
◆自然な外観を希望する方: 艶消し塗料は光沢が少なく、外壁を自然で柔らかな印象に仕上げます。建物が周囲の自然環境に調和する外観を望む方に適しています。
◆塗装面の凹凸を目立たせたくない方: 外壁の凹凸や小さな傷が目立ちにくく、建物全体が均一に見えます。
◆控えめでシンプルな外観が好みの方: 艶消し仕上げはシンプルで控えめな外観となるため、建物がシンプルなデザインの場合や、周囲の自然環境と調和させたい場合に適しています。
◆外壁の色を抑えたい方: 艶消し塗料は色を引き立てつつも、抑えた印象を与えるため、外壁の色を程よく抑えたい方に適しています。
◆日本風の伝統的な外観やモルタル壁を持つ方: 特にモルタルの模様仕上げが美しい場合は、艶消し塗料が適しています。なぜなら、艶がないことでモルタルの模様や質感が際立ち、日本風の伝統的な外観に馴染むことが期待されます。
5. 艶消し塗料のデメリット
◆耐久性の低さ
艶消し塗料は一部の種類では、艶有り塗料よりも耐久性が低くなることがあります。艶を抑えるためには添加剤の量を増やす必要があり、これによって性能がやや低下します。ただし、一般的な耐候性差はそれほど大きくありません。
◆表面の粗さ
艶消し仕上げは光を吸収しやすく、そのため表面が比較的に粗い傾向があります。この粗い表面には微細な凹凸ができやすく、これが汚れの付着を容易にします。
◆価格の高さ
艶消し塗料は一般的に価格が高い傾向があります。製造や成分に特別な工程が必要であり、高性能な塗料を選ぶことが一般的です。そのため、高グレードの艶消し塗料は価格が高めに設定されています。塗料のグレードによって価格が変動するため、予算とニーズに合った選択が必要です。
価格面では、塗料の品質や性能に見合った選択が求められます。計画する際には、予算や要件に応じて検討し、塗料メーカーや塗装業者と相談して最適な選択をすることが大切です。
6. 艶消し塗料を選ぶ際に注意すること
◆大きいサイズの色見本を使用する
A4サイズの色見本を使用して実際の色を確認しましょう。
◆天気の良い日に室外で確認する
色の選定において重要なのは、室外で明るい時間帯に色見本を確認することです。艶の感じ方は光の反射に影響されます。室内の蛍光灯や白色電球の下ではなく、外の太陽光の下で色を見て確認しましょう。
◆外壁以外の箇所の塗装も確認する
外壁とは異なる部分(雨どいなど)に使用される塗料も異なります。外壁の艶感が理想的でも、工事が終わってみると他の場所のつやが気になることがあります。外壁以外の箇所の塗装も事前に確認しましょう。(気になる場合は、「他の細かい箇所も艶消しにできますか」と尋ね、必要に応じて塗料を調整しましょう。)
7. まとめ
今回は、艶消し塗料についてお話しさせていただきました。
艶消し塗料は光沢を抑え、マットな仕上がりを実現するため、建物の風合いをそのまま活かしたい方や、外壁に上品で落ち着いた雰囲気を求める方におすすめです。特に、外壁が薄く明るい色の場合に適しています。
ただし、艶消し塗料は耐久性がやや低い傾向があり、本来の性能を100%発揮できないことがあります。そのため、耐久性を優先する方には「艶あり」塗料を検討されることをおすすめします。艶あり塗料は一般的に高い耐久性を備え、約1.5〜3年ほど光沢が持続します。機能面だけで見れば、艶あり塗料が優れていますが、数年が経過すると艶が減少し、ほぼ同じ色になることがあります。
最終的な選択は外壁の色や状態、環境などをトータルで考慮し、バランスを取りながら行うべきです。艶有りと艶消し、どちらが良い・正しいかという一概に言えることはありません。自身が最も重要視する要素や外壁の外観、性能、予算などを考慮して、適切な選択をすることが重要です。
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、ご自身のニーズに合った外壁塗装を行うことで、より満足度の高い仕上がりを実現できます。