3-1. 価格が高い
フッ素は高級な塗料ですので、他の塗料に比べると価格が高いです。しかし耐用年数が15~20年と非常に長いので、塗装工事の回数は減ります。そのため、足場や養生にかかる諸費用が節約でき、結果的にフッ素塗料で塗装した方がウレタンやシリコンなどよりも長い期間で考えればトータルコストは削減できると考えられます。
一回の工事費用を安くして数年後に再塗装をするのか、耐用年数の長い塗料でトータルコストを抑えるのかは、ご自身のライフスタイルに合った塗料選びが大事です。
※現在よく使われているシリコン塗料も、ひと昔前までは高額な塗料でしたが、企業努力により低価格化に成功しました。フッ素樹脂塗料に関しても、今後技術の進歩により今より低価格になるときがくるかもしれません。
3-2. 塗膜が硬く、弾力性がない
フッ素樹脂は他の塗料に比べると塗膜が硬い塗料です。家は地震や強風、車の振動などによって常に動いている状態です。建物が揺れるという事は、もちろん外壁材なども動いています。硬い塗膜の塗料は塗膜が揺れに追随できずに割れてしまいます。
※ひび割れが起きる可能性は、動きに追随できない硬い塗膜が割れる確率は特に高くなります。収縮効果のあるモルタルの外壁には弾性のフッ素塗料を塗るなどの対策もあるので、フッ素塗料を扱っている塗料に詳しい業者に相談することをおすすめします。
3-3. 外壁屋根を同時施工したとき屋根の方が耐用年数が短い
屋根は外壁と違って日中紫外線を浴びているので、外壁よりも劣化しやすいです。家全体をフッ素塗料で塗装したときに、屋根の劣化が早く、塗り替え時期が先にきてしまうということになります。
劣化時期を考えると、外壁シリコン+屋根フッ素、という組み合わせを検討される方もいらっしゃいます。気になる方はぜひ一度業者に希望を伝えて提案をしてもらいましょう
※屋根だけでなく目地部分の劣化にも注意が必要です。外壁のフッ素塗料がどれだけ長持ちしても、目地に後打ち(むき出し)で充填されたシーリング材はだいたい5~7年程で打ち替え補修が必要になります。劣化の早い屋根やシーリングなど建物全体の耐用年数も考慮して塗料選びをしましょう。
3-4. ツヤを完全に抑えられない
フッ素塗料は艶有りで塗料したら非常に強い艶を持つ塗料です。
艶のあるキラキラした見た目が好きな方であれば問題ありませんがツヤを嫌う方も少なくはありません。フッ素の場合は艶消し塗料がなく、3分艶までしか抑えられないものが多いです。
3-5. 建物を蘇らせるわけではない
フッ素塗料をはじめ、外壁塗装用の塗料には家の躯体の寿命を延ばす力はなく、外壁材や屋根材の劣化進行を抑えることしかできません。フッ素塗料も同じで耐用年数が長いですが建物の躯体寿命が延びるわけではないのです。
例えば建物自体の寿命が残り5年の家に耐用年数20年の塗料を塗ったとしても、寿命が25年になるわけではないということです。そのため、今後の家の寿命を考えたうえで、適した耐用年数の塗料を選ばなくてはなりません。
塗料別の総塗装回数を調べるなどして家の寿命を考えながら塗料を選びましょう。