3-4 塗装の膨れ・剥がれ
外壁の塗装がぷくっと膨れているのを見たことはありませんか。
こうなる原因はいくつかあります。
経年劣化、施工不良また外壁内部に水が浸入している、蓄熱水蒸気膨れ、カビの発生、乾燥が不十分などがあげられます。 膨れは塗膜欠陥の一つです。
こうなると簡単に剥がれおちてしまいますので、せっかくの外壁塗装も効果がなくなってしまいます。
これは部分的にみられることもありますし、全体がそうなっている場合もあります。
その膨らみを触るとポロポロと塗料が剥がれ落ちたり、破れて中から水が出てきたりすることがあります。
塗膜が劣化したり外壁にヒビが入ったりして雨水が浸入し、塗膜と下地の間に水が溜まっている可能性があります。
放置していると建物内部にまで雨水が染み込み、雨漏りが発生することがあるため早急な修理が必要です。
そうなると塗装の本来の役割である「水分を建物内部に浸入させない」という機能を果たせなくなります。
また柱や屋根などの主要構造部が腐食され耐久性・耐震性の低い建物になってしまいます。
外壁に膨れなどの劣化症状を見つけた場合はそのままにせず、補修や塗り替えなどの修理を一刻も早くされることをおすすめします。
4. 主な塗装箇所
4-1 外壁塗装
建物は定期的なメンテナンスを怠ったからといって、すぐに大きな被害にあうわけではありません。
外壁は常に天候や災害などの自然にさらされています。
天候や災害による建物の劣化は「色褪せ」「各種機能・効果の軽減」「耐久性の低下」などがあげられます。
さらに劣化が進むと最悪の場合、建て替えを余儀なくされてしまうこともあるのです。
例えば、雨の影響を受け続ければ外壁が黒ずんでいき、直射日光による紫外線を浴び続ければ塗料を覆う塗膜の保護機能が分解されます。
積雪による凍害ではサイディングボードが浮いてしまったり、そこから雪や雨などが侵入してしまうと梁や柱といったお住まいの重要な部分の腐食がはじまります。
水はお住まいの寿命を著しく短くしてしまうのです。
私たちが住んでいる家の外壁材や屋根材は塗装することで塗料に保護されています。
外壁材自体には防水性はほとんどありません。塗装が加わることによって、雨水に対してのバリア機能を発揮することができるのです。
このことから、ほとんどの外壁には塗装が必要となることがわかると思います。
4-2 屋根塗装
一言でいうと「屋根に新たな塗膜を作って防水性を与える」ということです。
建物の基礎部分は木や鉄、コンクリートなどでできています。
これらは「水分」に弱く、水分に触れてしまうと劣化を引き起こし、腐食していきます。屋根の防水機能が低下し、水の侵入で腐食が進んでしまうと建物の強度が下がり、最悪のケースでは建物の倒壊を引き起こしてしまいます。
新しい塗膜を作ることでお住まいの防水性が維持されて、長持ちさせる役割があります。
大事な家を雨から守るために、屋根の防水は大きな役割を果たします。
一般に住宅の屋根は和瓦、スレート瓦、金属瓦、シングル等様々な屋根材で覆われています。
これらの屋根材は色彩やデザインが美しいだけではなく、水の浸入を防ぐよう工夫された構造を持ちます。
しかしながら、緩い傾斜の屋根や、雨風が強く吹き付けられる環境では屋根材だけで完全に雨水を防ぐことはできません。 このため、屋根材の下に防水シートを施工する必要があります。
この防水シートは屋根下葺材と呼ばれます。
屋上がベランダや平らな屋根になっている場合、傾斜屋根のある住宅と異なり完璧に雨水の浸入を防ぐ防水層が必要です。
雨水を遮る屋根材が無く、水が屋根に滞留しやすいためです。
水はごくわずかな隙間があれば侵入します。
また、空気の流れの影響や毛細管現象により、水が下から上に上ることもあります。 このため、建築構造や環境を考慮した適切な防水施工をおこなうことが住宅を雨水から守る上で重要となります。
4-3 屋上防水
ビルやマンションなどの屋上部分は雨風が侵入しやすく、また水が溜まりやすい個所なので、雨漏りや浸水が発生してからおこなうよりも、事前に予防策として定期的なメンテナンスをおすすめしています。
一度たりとも雨漏りを発生させないことが、建物を守ることにも繋がります。
また、雨水以外にも日光(紫外線)の影響も受けるため、非常に傷みやすい箇所となります。
そのため、屋上や屋根は他の箇所に増して、防水工事が必要となってきます。
防水の種類も様々で、シート防水や塗膜防水、アスファルト防水など施工内容もそれぞれ違ってきます。 防水工事をする際、特に注意したいのが防水面を完全に乾燥させることです。
コンクリートを新たに打設した場合は、表面は乾いていても内部に水分を持っているのでよく乾燥させることです。水分があると施工後に膨らんでくるので注意が必要です。
次に下地処理をしっかりとすることです。
何においても言えることですが、基礎ほど丁寧な作業が必要です。
また防水面積が広くなったら、一定間隔に脱気塔を設置します。
屋上の面積の広い場合は内部の空気が膨張して防水層を膨らませてしまいます。 そのため空気を逃がす脱気塔を付けると良いでしょう。 定期的な防水工事が結果的に費用を抑えることに繋がります。