2-2 酸性雨
酸性雨とは大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物などの酸性物質が混じった雨のことを指します。これらの酸性物質は、工業排出物や自動車の排気ガスなどから発生し、大気中に漂っています。この酸性物質は、外壁の塗膜を侵食します。塗料が酸性雨に長期間さらされると、塗膜が薄くなり、色褪せしやすくなります。
また酸性雨は金属表面に特に影響を与えます。外壁に使われる金属部分(鉄製の手すりや屋根材など)が酸性雨にさらされると、サビが発生し、外壁の美観や耐久性が損なわれます。酸性雨の影響を受けにくい外壁材料や耐久性の高い塗料を選ぶことで、外壁の色褪せを防ぐことができます。
※酸性雨は風向きや大気中の酸性物質の放出源、気象条件によって影響範囲が変化するため、地域ごとに酸性雨の程度が異なることがあります。
2-3 塗料の品質・外壁の素材
使用される塗料の品質や耐候性によっても、色褪せの程度が異なります。また外壁の素材でも色褪せの度合いは異なります。木材やコンクリート、金属などの素材は異なる耐候性を持っており、それぞれに応じて色褪せの進行度が変わります。
3. 色褪せしやすい外壁色(原色)
色褪せしやすい外壁色は、赤や黄色といった彩度の高い原色系の色です。これらの色は紫外線を吸収しやすく色褪せしやすい傾向にあります。
3-1 赤系の色
赤や橙色など色素の濃い原色系は太陽光中の紫外線によって分解されやすく、濃い色ほど、紫外線の影響を強く受け、時間とともに色が薄くなっていく傾向があります。
3-2 黄色系の色
黄色や明るいオレンジ色のように、明るく鮮やかな黄色系の色は、紫外線の影響を受けやすく、色褪せが目立ちやすいです。これは、明るい色が紫外線を反射せず、吸収してしまうためです。