4-7 剥落・欠損
ALC外壁はコンクリートですが軽量で衝撃に弱いです。欠損した箇所をそのまま放置してしまうと、気泡から水が侵入し腐食や破損する危険もあるので早い補修が必要です。
5. メンテナンス方法
5-1 塗り替え
ALC外壁は水に弱い建材であるため、塗装によって防水性を持たせることが必要になります。塗装は経年劣化で機能がおちていくため、定期的な塗り替えが必要です。
ALC外壁の塗装は、透湿性能の高いものがいいです。透湿性能の低い塗膜が外壁の表面を覆っていると、塗膜を通過できない水蒸気が塗膜を内側から押し上げて膨れや剥がれが起こるからです。
再塗装の目安としては、一般的に7~10年といわれています。外壁の状態にもよるため、劣化がでてきたら症状を見極めて早めに対応するようにしましょう。
5-2 コーキングの補修
ALCの外壁は、パネルを組み合わせたときに、つなぎ目をコーキングで埋めます。
ALC外壁はとにかく継ぎ目の多い建材の為、目地に充填されているコーキング材は重要になります。ALC外壁の内側には防水シート(二次防水)がないため、目地の劣化は雨漏りに直結しやすいです。二次防水のないALCの目地は防水のために重要な役割を果たします。雨漏りを起こさないためにも、適切な時期で補修・メンテナンスをする必要があります。
補修には、打ち替え、または増し打ちという方法があり、既存のコーキングの状態によって使い分けます。
【打ち替え】約700~1,000円/m 古いコーキングを撤去し、新しいものを打ち込む方法です。
【増し打ち】約400~700円/m 古いコーキングの状態が良ければ、その上から新しいコーキングを追加する方法です。
※ALC外壁はコーキング部分が多いので、コーキング補修費用は割高になる傾向があります
【参考】外壁のコーキング!気になる費用相場と注意するポイント
5-3 カバー工法
塗り替え以外の対応方法として、カバー工法があげられます。カバー工法はもともとの外壁材はそのままに、新しい外壁材を上から重ねて施工する方法です。古い外壁材の解体や撤去費用がかからないので費用や工期を抑えることが可能です。
ALC外壁の場合、カバー工法に使用できる外壁材は建物への負担がかかりすぎない軽量なものを選ぶことが多いです。金属サイディング、窯業サイディング共に重ね張りが可能です。耐震性や施工性を考慮すると、軽い金属サイディングを張ることをおすすめします。
他にもカバー工法を行うことで断熱性や防音性が上がる場合もあるため、家の中の温度を快適にしたい方や騒音が気になる方はカバー工法を選んでみても良いかもしれません。