2-2 湿気によって乾燥が遅れる
雨の日は湿度が高くなるため、乾燥時間が通常よりも長くかかります。また気温が低すぎたり湿度が高すぎたりすると乾燥不良によるムラなど不具合が出てしまいます。
厚生労働省の施工ガイドラインでは、“気温が5度未満、湿度が85%以上”という環境では外壁塗装不可となっています。
2-3 工期が延長する
塗装業者は、施工中に雨が降る日があることを想定してスケジュールを決めます。しかし雨が続いてしまうと、どうしても工期は延びてしまいます。そのため梅雨の時期は工期がほかの時期より長くなる可能性はありますので、できるだけ避けた方がいいでしょう。
雨の日に塗装ができない場合、その日の作業は休みになる場合もありますが、足場の設置や高圧洗浄など雨の日でもできる作業もあります。
※工期が延びたら追加費用になる?
雨が続いて工期が長引くと心配になるのが追加費用の発生です。
梅雨時期などは雨の日が多いと想定して予定を組むので、雨のため工期が延びても追加費用を請求されないと考えていいでしょう。
ただし、工期が長引くと足場やシートで家を覆った状態が長く続きますので、そのあたりも考慮して時期を決めるようにしましょう。
2-4 見た目の仕上がりが悪くなる
雨にあたると見た目の仕上がりが悪くなってしまいます。乾燥する前に雨が当たると雨だれでスジが残ります。雨で塗料が薄まるとその部分はムラになります。
住宅が美しく長持ちするための塗装なので仕上がりが悪くなるのであれば雨の日の塗装は避けるべきです。
2-5 塗装業者の怪我のリスクが増える
雨の日は足場が大変滑りやすくなります。足場が悪いと本来の技術が発揮しにくくなります。また、最悪の場合は足場から滑り落ちてしまうなどの怪我のリスクも発生します。
3. 雨天以外でも塗装できない条件
メーカー推奨の条件
外壁に使う塗料缶の説明書やメーカーのパンフレットをみると、以下の3つの条件が記載されています。
・気温が5℃未満
・湿度が85%以上
・結露が考えられる
この条件下では「塗装は避けること」とされています。
気温が5℃を下回ると十分に塗膜が乾燥・硬化してくれません。気温が5℃を超えていても、もし湿度が85%を超えてしまうと、空気中の水分量が多すぎて硬化に支障をきたします。
「結露が考えられる」とは、外壁の表面に朝露・夜露の水滴がつきやすい状態を指します。結露は建物の中と外の気温差によって生じ、窓ガラスや外壁の表面に水滴がつくことです。水滴のついた外壁では塗料が密着しないため塗装後に塗膜が剥がれるなど施工不良の原因になってしまいます。
そのため、結露や霜が発生している日は塗装を避けることになります。
これらの条件は国土交通省が定める公共工事の標準仕様としても示されています。
◆他におすすめしない塗装時期・時間帯◆
①外壁塗装に適した時期
外壁塗装に適した季節はいつなのでしょう?
外壁塗装に向いているのは、温度・湿度が安定している春・秋が一番適している時期と言えます。
気温が低すぎる真冬は結露が起きやすく霜も降りてしまうので、気温が高い時間帯に塗装することが重要になります。
【参考】外壁塗装のベストシーズン? ・・・塗装におすすめの季節
②塗装する時間帯
秋から冬にかけて夜は気温が下がりやすく、夜露も発生します。
夜露や霜が気になる季節の塗装は夕方早い時間帯になるべく終わらせておくのが基本です。