5-3 劣化症状
・ヒビ割れ
・色褪せ
・コケやカビの発生
・塗膜の剥離
・チョーキング
5-4 メンテナス
主に成分がセメントであるため、塗装しなければ瓦自体に防水性能はありません。モニエル瓦の塗装は表面のスラリー層をしっかり取り除くことが重要です。スラリー層の上から再塗装すると旧スラリー層と一緒に塗膜が剥がれ落ちてしまう可能性があります。そのため一般の屋根に比べて高圧洗浄を念入りに行う必要があります。モニエル瓦は築10年前後を目安に塗装をするようにしましょう。
6. 粘土瓦(陶器瓦)とセメント瓦の見分け方
瓦には種類がありご自身の家が瓦を使ってはいるが瓦の種類は何だろう?と見分けがつかないこともあります。ほとんど同じように見える屋根瓦ですが、粘土瓦とセメント瓦の屋根には見分け方があります。
◆粘土瓦
①生地の色が赤っぽい
釉薬が塗られていない部分は、他の瓦に隠れてしまうのでほとんど見えませんが、わずかに生地の赤っぽい色が見えることがあります。赤っぽい色の生地があれば粘土瓦です。
②棟の部分に漆喰・葺き土があるか
棟の下が奥まっていて、漆喰などの湿式材が使用されていたら、瓦屋根です。湿式材は雨に弱いので、棟の下に入り込んでいます。
◆セメント瓦
①生地が白っぽい
②棟はセメント製の面戸(めんど)で施工されています。湿式材ではないので棟の表面まで面戸が出ています。セメント瓦の屋根は、棟の面戸が出ているかどうかで判別できます。
モニエル瓦とセメント瓦の違いは、小口と呼ばれる瓦のフチ部分にあります。小口が滑らかな形状だとセメント瓦、凸凹があるタイプがモニエル瓦です。
他にも…陶器瓦は釉薬(うわぐすり)によって表面がガラスのような層でコーティングされています。お茶碗のように表面がツルとしており艶があります。粘土瓦は断面や角が丸みを帯びているのが特徴です。一方、セメント瓦は塗装で着色されているので、表面がザラザラしており、経年劣化で色褪せが出てきます。粘土瓦との違いは断面や角が角ばっていることです。表面が粘土瓦のように滑らかではなく、ゴツゴツしています。
このように、表面の見え方でも見分けることができます。
7. まとめ
瓦にはいくつか種類があり素材によりメンテナンスも異なります。
粘土系の瓦の場合は表面から水を吸い込むことがないので塗装の必要はありません。しかし屋根材には雨樋や漆喰、下地なども含まれています。それらの耐用年数は瓦ほど長くないため、それぞれの寿命によって交換や補修が必要となります。また粘土瓦は専用の塗料をつかえば塗装することはできます。
セメント系の瓦(モニエル瓦含む)の場合は、防水性がないため表面を塗装で保護する必要があります。スレート瓦などの屋根材に比べて下地処理の仕方が異なることもあるので信頼できる業者に依頼しましょう。
どんなに高耐久の屋根も瓦本体以外の劣化もありますので、5年に一度は点検してもらいましょう。
またメンテナンスの際は実績のある業者に依頼し、粘土瓦の寿命がさらに延びるようなメンテナンスを行いましょう。