4. セメント瓦
セメント瓦とは、セメントと川砂を混ぜ合わせて作られた屋根瓦のことです。セメント瓦は粘土瓦よりは価格が手頃で扱いやすいため多くの一般住宅で使用されていました。
耐用年数は30~40年ほどあり、耐久性にも優れています。セメント瓦はさまざまな形状があり、粘土瓦に比べると価格も安いため、以前は多くの住宅に使われていました。しかし、粘土瓦と同じくらい重量があり塗装のメンテナンスが必要ということや、ほかに低価格で耐久性が高い屋根材が開発されたことで、現在新規採用はほとんどありません。
4-1 メリット
■形が選べる
セメント瓦は形を加工しやすく様々な形が製造されており、お好みの形を選ぶことが可能です。
和瓦から洋瓦まで種類が豊富で、屋根の形状や建物などデザインに合わせて適したものを選ぶことができます。
■サビない
セメント瓦は材料にセメントや川砂を使用しているため、金属のようにサビることがありません。屋根は常に太陽光や風雨にさらされるため、建物の中で劣化が現れやすい場所でもあるので、サビないというのは屋根材として大きなメリットです。
■耐火性に優れている
セメントと川砂でできているため燃えにくいです。
4-2 デメリット
■塗装が必要
原材料がセメントなので塗装をする必要があります。セメント瓦は防水性がないため塗装をしないと水分が中に染み込んで劣化してしまいます。塗膜にふくれやひび割れなどが発生したら塗り替えのタイミングです。業者に点検を依頼し適切なメンテナンスをしましょう。
■防水性が落ちると雨漏りしやすい
セメント瓦は表面の防水性が低下すると雨漏りしやすいです。特にセメントは材質自体に防水性がありません。表面に塗料を塗り塗膜を維持することで防水性を保っています。
■耐震性が高くない
セメント瓦は重量があるため耐震性や耐久性があまり高くありません。また重量があるため屋根が重くなり建物の耐震性が低下する恐れがあります。
■カビ・コケの発生
表面の塗膜が剥がれるとカビやコケが発生しやすくなります。セメント瓦は劣化が始まると表面がザラザラした状態になります。雨水が染み込んでザラザラの表面に胞子が付着するとカビやコケが発生してしまいます。
■塗膜の色褪せが気になる
表面の塗膜が劣化すると色褪せが気になるのもセメント瓦のデメリットです。耐用年数を過ぎると徐々に劣化して色褪せが始まります。
4-3 劣化症状
・塗膜の剥がれ
・ふくれ
・色褪せ
・瓦のズレ
・コケやカビの発生