2-2 時間・天候によって色の見え方は変わる
色の感じ方は、太陽や蛍光灯など「光を発するもと」によって変化します。
太陽光の下では自然に見えていた色でも、蛍光灯の下では白色に見え、白熱灯の下では黄色かかって見えてしまいます。
そのため屋外と室内では色の見え方が違うということを理解したうえで色選定を行ってください。
また屋外では天候(晴天・雨天・曇り)の影響も受けます。
時間帯も午前・午後・夕方で変わってきます。
最終的に確認をする際には、屋外で時間帯を変えながら出来る限り様々な環境下で確認されることをおすすめします。
2-3 汚れが目立ちにくい色・汚れが目立ちやすい色 色褪せしやすい色
《汚れが目立ちにくい色》
汚れが目立ちにくい色は、グレー・淡いグリーン・ベージュ系です。
環境によって外壁の汚れには様々です。土埃や砂、黄砂など汚れの色のほとんどが中間色(薄茶・黄土色・薄緑系)です。
外壁の色がこの汚れに近い色であれば目立ちにくいです。
例えば少し色のついたクリーム系の外壁などは汚れがあまり目立ちません。
《汚れが目立ちやすい色》
白い家は外壁色でよく使われる代表的な色となっています。しかし白色というのは汚れが付きやすく、特に窓や換気扇の外につけるフードの雨だれなどが目立ちやすくなります。
黒い外壁の家はモダンで落ち着いた印象です。黒は洗練された高級感や重厚感のある色で最近では外壁の人気色です。
黒は汚れが目立たないのでは?と疑問を持たれると思われますが、黒い外壁に白い汚れ(黄砂やカビ等)がついてしまうと目立ってしまいます。
キズやちょっとした汚れなどは白く際立ってしまい逆に汚れが目立つ傾向があります。
《色あせしやすい色》
濃い赤・原色の黄色系は経年劣化により、塗装してすぐの鮮やかさが失われ色あせしやすいです。原色に近い鮮明な色は色褪せしやすく、色が薄くなっていくと古びた感じに見えてしまいます。
【参考】外壁塗装で色褪せしやすい色と色褪せにくい色を徹底検証!
2-4 街並みとのバランスを見る
選んだ色が近隣や街並みから浮いてしまっていないですか?
例えば、白系の家が並ぶ中で1軒だけビビットカラーの家があると違和感を覚えます。
周りと調和しているか確認することは大切です。
家の周りを散歩してみて街に馴染む色を考えてみるのもいいですね。
必ず周辺の家の外壁色に合わせなければならない、ということではありません。
選ぶ色が浮いた色にならないように注意することが必要です。
地域によっては地方自治体から景観形成のガイドラインを発行しているところもあります。お住まいの地域の自治体にガイドラインがあるか確認してみましょう。
2-5 塗装しない箇所・付帯とのマッチングに注意
シックで落ち着いた家、凛々しいモダンな家、木をふんだんに使ったナチュラルな家…などなど沢山の家をみていると、あれもこれもいいなと迷ってしまう色選び。
外壁の色を選ぶ時どのようなことを基準に考えたら良いのでしょうか。
お気に入りの配色が決まり実際に塗装してみると塗装しなかった玄関ドアや窓サッシなどとの相性がしっくりこなくて失敗してしまったという例を耳にします。
色を決めるとき、外壁のことだけに気をとらわれがちですが、家には塗装をしない箇所…玄関ドア、サッシなどがあります。
色選びはこのような箇所も含めて「家全体のバランス」というのが重要になってきます。外壁との相性が悪いと全体的にまとまりのない印象になってしまいます。
また外壁、屋根以外に破風や軒天,雨戸などの付帯部分との色合わせも重要になってきます。
例えば雨樋。
おすすめはサッシの色に合わせることです。黒サッシであれば黒色、白であれば白色、ブロンズ色であれば濃い茶色というようにサッシに合わせて塗装することでまとまりのある外観に仕上がります。
逆に外壁色と同色に塗装することで雨樋の存在を目立たなくさせます。エアコンホースカバーは「外壁色に塗って目立たなくする」もしくは「雨樋と同じようにサッシ色に塗装してアクセントにする」などもあります。雨戸やシャッターボックスは、サッシ色に合わせる傾向が多いです。庇(ひさし)は、サッシ色もしくは屋根色に合わせると統一感が出ます。
【参考】リフォーム時の付帯部塗装はしないでも大丈夫?
サッシのプチ知識!
日本国内で用いられているサッシの色は、主に5種類(白、黒、ブラウン系、グレー系、ブロンズ)あります。窓サッシの面積は外壁に比べると小さいですが全体の印象を大きく左右します。
基本的にサッシは塗装しない箇所です。外壁色を決める際、一般的な考え方としては「サッシの色に合わせて壁色と同化させる」または「サッシの色と逆の色にしてサッシをアクセントにする」といった選び方があります
2-6 色は最大3色まで!
家の配色は様々で1色で統一している家もあれば、2色以上の色を使っている場合もあります。
この外壁の色分けも外観のイメージを大きく左右します。色を何色か使う場合、色の数はできれば2色、多くても3色までに抑えておくのがポイントです。
外壁に使う色が増える程まとまりがなくなってしまいます。
外壁・屋根以外にも家には雨樋やサッシなども色が付いている箇所があるので、全体の相性が良い色選びをしないと失敗してしまいます。