長期優良住宅と定期的なメンテナンスについて
家を定期的にメンテナンスし、長く大切に使い続けることは、国の法律でも定められており、推奨されています。
この法律は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で平成二十一年に施行されました。
少子高齢化が加速し環境問題への配慮など社会的経済情勢の変化に伴い、家の「質」を向上さ、長期的に住居への生活安定を図ることが重要と判断され、制定に至りました。
長期優良住宅の普及によるメリットは3つあります。
1つ目は「住居費負担の軽減」となります。
住宅をしっかりと定期的にメンテナンスして長持ちさせることが出来れば、頻繁に建物を建て替える必要もないので、大幅に費用を削減できます。
そしてその削減分の費用を、最新設備の導入やリフォームなどによる住生活の「質」の向上に活かすことはもちろん、福祉や余暇活動に充てる余裕も生まれます。
実際に、現状の4倍程度の長期にわたって住宅を使用した場合、建設や維持保全など住宅にかかる全体費用を3分の2程度まで縮減することが可能です。
2つ目のメリットは、「住宅の資産価値の向上」です。
これまで日本における住宅の資産価値というのは、住宅ローンを返済し終えた時には、資産価値がなくなってしまう状態でした。
「住宅=負債」の様な感じだったのです。
しかし、住宅を長く大切に世代を超えて利用をすれば、住宅の資産価値は守られ、「住宅=資産」となります。
もちろん売買も容易になります。そうして優良な住宅が社会資産として蓄積されていけば、住み替えの際の選択肢も増え、ニーズを満たす住居選びも可能です。
3つ目のメリットは、「環境への負担の低減」です。
日本における二酸化炭素の排出量は増加傾向にあり、住宅・建築部門での排出量がその約3分の1を占めています。
また、住宅の解体などで大量に発生する産業廃棄物も問題です。住宅関連の産業廃棄物は、建設関連の廃棄物の半分以上を占めています。
住居を長持ちさせ、環境への負荷を低減させていく事は、地球環境を守るために必要なことなのです。
また、長期優良住宅であるためには、住宅の性能の良さと維持保全計画です。
住宅の性能とは、耐久性・耐震性・維持管理の容易性などを指します。
維持保全計画とは、計画的な点検・修繕の計画のことです。
住宅の性能は、年月が経てば変化し、低下していきます。
そのため、適切な維持管理の計画に基づいたメンテナンスが求められます。
建物を長持ちさせるための維持管理費には、定期的な塗替えの実施が最も重要となります。
そして塗替えの失敗は、結果的に長期優良住宅の失敗と繋がってしましますので、しっかりと計画性を持ち取り組みましょう。
長期優良住宅の3つのメリット
1・住居費負担の軽減
2・資産価値の向上
3・環境への負荷の低減