5. タスペーサーの種類
◆タスペーサー01
通気性能やクッション性能、耐溶剤性などをアップしたタスペーサーです。
◆タスペーサー02
通常の屋根補修に使われる汎用性の高いタスペーサーです。
大抵の場合は02を使用しますが、強溶剤の塗料には対応できないので、強溶剤系の塗料を塗る場合は01を使用します。 (株式会社セイム参照)
6. タスペーサーの設置費用
タスペーサーによる縁切りの単価相場は約300~500円/㎡です。
一般的な戸建住宅30坪80㎡の屋根の場合は約24,000~40,000円位ということになります。
※屋根の傾斜や広さによって費用は変わります。
従来の縁切り工法の場合、人件費が1日分かかってしまうので、費用は4万円~6万円になり、タスペーサーの設置費用より高くなってしまいます。
見積もりの金額と自宅の屋根面積を照らし合わせ、費用が適正か確認をしましょう。
7. タスペーサーが不要・利用できないケース
スレート以外の屋根材の場合はタスペーサーの使用ができません。
またスレート屋根の場合でも、スレート自体の劣化が激しい場合や、屋根材の下にある野地板が劣化している場合はタスペーサーの使用ができません。塗装ができない屋根材の場合はカバー工法や葺き替えでのメンテナンスをお勧めします。
また屋根材との間が4㎜以上の幅がある場合、タスペーサーを入れても落ちてしまうので取り付けることができません。
自宅がスレート屋根ではないのに見積書にタスペーサーと記載されていたり、築年数が経過しており屋根材の劣化が進んでいることを確認できる状態でタスペーサーを提案された場合は要注意です。
8. まとめ
いかがでしたでしょうか。
タスペーサーとは、スレート屋根塗装の際に屋根の隙間を作る目的で設置する道具のことです。
塗料で屋根の隙間を塞いでしまうことを防ぎ、空気の通りをよくして、湿気がこもらまいようにすることで雨漏り対策になります。従来は塗膜カッターで塗装後に塗膜を切っていましたが、現在はほとんどの業者がこのタスペーサーを使用しています。
タスペーサーを使用するメリットは
①雨漏り・結露のリスクをさげる
②屋根の美観を保てる
③工事期間が短く済み、人件費を抑えられる
④再度縁切り作業をする必要がない
ただしすべての屋根にタスペーサーが使えるわけではありません。屋根材の種類や劣化症状などによってはタスペーサーが使用できない場合もありますし、取り付け方法を誤るとかえって屋根材の破損を招いてしまうことにもなりかねません。
屋根の塗り替え工事にあたっては信頼できる優良業者を探し、タスペーサーの設置が可能かどうかを確認してみてください。