屋根塗装でタスペーサーは絶対に必要なのか?プロが解説。
1. タスペーサーとは?
外壁塗装の見積書に”タスペーサー”という項目が・・・。
「タスペーサーって??」普段聞きなれない言葉ですよね。タスペーサーは*スレート屋根を塗り替える際に使用される道具です。
屋根材は一枚ずつ重ねて葺いてありますが隙間があります。この隙間は塗装をすると塗膜でこの隙間を塞いでしまい屋根を密閉してしまいます。屋根が密閉されてしまうと雨水の逃げ口がなくなり、通気もできないため湿気が溜まってしまい雨漏れに繋がります。そこにこのタスペーサーを差し込むことで水の通り道を作り”雨漏りのリスク”を抑える役割をします。
もともとは…『縁切り』という工法をおこなっていました(カッターや皮スキなどを使って職人さんが手作業で塗膜を切る方法)。今でも従来の縁切りを行う業者さんもいらっしゃいますが、手作業で塗膜を切っていくので時間と手間がかかるうえ、塗膜や屋根材に傷などが入ってしまうこともありますので、最近ではタスペーサーを使って縁切りをする方法が主流になってきています。
タスペーサーは屋根塗装と同時に作業を行えるため、作業時間を短縮できる便利な道具です。現在は屋根塗装後の縁切りに変わってタスペーサーを利用する塗装業者さんが増えています。カッターによる縁切りもタスペーサーによる縁切りもどちらも屋根の間に隙間を作る作業です。
*スレート屋根とは、セメントや天然岩を板状にした屋根材で、日本の住宅では最も利用されている製品です。屋根材が「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれていればスレート屋根です
2. スレート屋根では塗装が原因で雨漏りが起こる?
瓦屋根やスレート屋根の場合、屋根材と屋根材の重なり部分に隙間が設けられています。理由は雨水や湿った空気の出口として隙間が設けられているのです。この隙間がなく密封されてしまうと起こる現象が
・雨水が排出できなくなり、屋根に溜まってしまう
・通気が悪くなり、湿気がこもる
です。
またスレート屋根の場合、この隙間の大きさも重要になってきます。この隙間が狭すぎると毛細管現象を起こしてしまします。雨水を吸い上げて吸い上げられた雨水は防水紙を劣化させ雨漏りの原因に繋がるということです。